星クズジジイ伝説・EP3 物星トモロウの講義


「今日は宇宙の起源について話します」

物星トモロウは自分を指さして言いました。

「この宇宙は、今から150億年前に、僕が作りました」

この発言に生徒たちはざわつきました。

「せ、先生、どうやって150億年前に行ったの?」

「それはたいへん良い質問です。
僕はタイムマシンを使って、それで150億年前にタイムワープしたのです」

「せ、せ、先生、どうやってタイムマシンを手に入れたの?
タイムマシンなんか無いよ」

「それもたいへん良い質問ですね。
現在の世界にはタイムマシンは有りません。
しかし、未来の世界にはタイムマシンが有るはずです。
僕は、まず未来でタイムマシンを手に入れました」

「ざわざわ、ざわざわ」

翌日、生徒全員の父兄から連絡が入り、
子供が風邪をひいたのでしばらく塾を休ませたい、とのことでした。
その日から半年経ちましたが誰一人塾に戻ってきませんでした。

「近頃の風邪はよほど症状が重いのだなあ
でも春になったらみんな良くなるだろう」

物星トモロウは、夕陽の差し込むがらんとした教室でつぶやきました。

人は宇宙の起源の真実など安易に口にしてはいけないのです。


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