窓の外から一人の少年が手を振っていました。 「山下鉄郎君じゃないか。もう風邪は治ったのかい」 「風邪ってなんのこと?先生の塾で病気が流行っているから、 あそこへはもう行くなって、お母さんたちがうるさいんだよ。 心配だから見に来たんだよ」 「えっつ、じゃあ、みんな元気なのか」 「みんな元気だよ、麓の町では、トモロウ先生の事を 『ビートルズ先生』と呼んでるみたいだけどね」 「僕が茶色のロン毛でカッコイイからかなあ 昔、ロックバンドをやっていたし」 「父さんが言うには、昔ビートルズっていう音楽家の歌に 『フールオンザヒル(丘の上のアホ)』っていう曲があって 『ビートルズの歌のフールオンザヒルみたいな先生』て言ってたのが それじゃ長すぎるから省略したらしいよ」 「うっつ・・・・・それは、ホメられてるのかケナされてるのか、深くて微妙なところだ」 沈む夕陽を背景に今日も地球は、round,round,round,回っていました。 物星トモロウの頭の中もグルグル回っていました。